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祖母に届かなかった気持ち ~家族について考える~ [僕が僕であるために]

2008年12月…。父親からの電話はただ一言だった。

     「お婆ちゃんが亡くなった」

一瞬何を言われたのか分からず、何度も何度も聞き返したが事実は変わらなかった。それくらい急で寝耳に水の出来事だった。

自分の身内は父方も、母方も全員が元気で、今までに身内を亡くすということが経験したことがなかった。祖母は今から八年前に倒れて以来、寝たきりが続いていたが、会話はできたし、盆や正月、休日は在宅介護できるようになっていた。だからこそ…なぜ?の思いが全員にあったのだ。

自分が大学に入ってからは、自分の時間が不規則になったのもあり、ゆっくりと話をする機会は減っていった。祖母が倒れたときに孫(16人)の中で駆けつけなかったのも自分だけだった。出先の関東で祖母が倒れたこと、留学の数日前だったことに気を使って、大丈夫だから行ってきなさいと身内に言われたものの、あのときなぜ自分が行かなかったのか本当に後悔している。そして、自分が一番孫孝行できなったと強く反省している。祖母と再会したのは帰国してからの一年後だったので、そのときにはもう以前の面影はなかった。だから、葬式の際に孫代表挨拶を打診されたが、自分には資格がないと思い断わった(他のことはしたけど…)。

祖母の通夜、火葬、葬式は三日間にかけて行われ、全国から身内が集まり祖母との別れを惜しんだ。自分も期末面談と日程がぶつかってしまったが、できる限り時間を工面して、祖母のそばにいるように努力しました。

振り返ると祖母との思い出はいろいろあるし、そのどれをとっても感謝してもしきれない。自分の好きなくるみ味の餅をよく作ってくれたし、高校の入学説明会に一緒に来てくれたのは祖母だった(親が都合がつかなかったため)。

     「ありがとう」

言葉にするのは簡単だけど、伝えることができなかった言葉。言える時にしっかりと伝えていれば…その気持ちは今も変わらない。でも、もう祖母はいない。

家族の「絆」の大切さが叫ばれる昨今…自分は分かっているつもりだったけど、分かっていなかったと祖母の死を通じて考えさせられた。自分の中の家族観…今すぐに答えは出ないけど、家族と過ごせる時間を大切にこれからはしていきたいと思う。

     「婆ちゃん、ごめん。そして本当にありがとう。これから頑張るよ。見守っていてください」
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